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技術記事、書けば書くほど、ためになる

キャリアの過渡期に感じていること

今日はここ数ヶ月で感じている自分の仕事に対する意識や姿勢の変化について書く。

自分語りにしたくないな、と思っていたんだけど書いているうちに自分を存在させずにこの記事を書くのは難しいとわかった*1。なのであくまで自分の話、自分の思っていることとして書こうと思う。

なお、この文章では IT エンジニアとかソフトウェアエンジニアとかを単にエンジニアと書くのでそのつもりで。

自分の経歴とキャリアへの展望

まず、この話を始める前に僕がどんな経歴で、どんなキャリアを歩みたいと考えているのかについてまずは書く。

働き始めて 5 年目、28 歳のエンジニアだ。今まではデーターサイエンティストっぽい仕事をしたり、機械学習エンジニアっぽい仕事もしたけれど、今は Web のサーバーサイドで生きている。

自社サービスを提供するスタートアップで働いていて、入社した直後の頃はたくさんタスクをこなしたり、バグを修正したりという形で仕事をこなしてきた。ひととおりサービスの機能は把握できてきたし、技術スタックにもどんどん慣れてきて、1日中ハマるみたいなこともほとんどなくなってきた。

あと、半年ほど前からプロダクトの一部機能のリニューアルプロジェクトの PM(プロジェクトマネージャー) を任され、徐々に自分の守備範囲が広くなっているのを感じている。

とはいえ、まだ自分は階級で言えばジュニアだなと思っていて、要はマネージャー見習いみたいなものだと思っている。今の会社のグレード的にも、一番ど真ん中のちょっと下にいて、マネージャーという職位にはまだついていない。

志望としてはエンジニアリングマネージャーを志望している。まだチームをもっているわけではなくて、最近入社された方のメンターをするなどして経験値を積もうとしているところ。

評価が変われば業務も変わる

まず最初に、この記事で言いたい結論を 1 文で書くと、いまの自分が感じている過渡期とは、評価軸が変わり、それに適応して仕事のやり方を変えなければいけない時期である、と自分は捉えている。

変わっているのは仕事ではなくて評価軸だと思っている。例えば仕事を早くこなしたほうが評価される会社もあるし、大して評価が変わらない会社もある*2。前者の会社では多くの人が仕事を早く終えるように努力するだろうし、後者の会社ではそうならないだろう。

どちらが良い悪いではなく、環境に応じて人は行動をするものだし、ゆえに評価制度をどうするのかはとても難しいがとても重要なことだとも言える。

評価軸がどのように変わるか

さて、上記の例では会社が変わったら評価のされ方が変わるということを書いた。一方で、会社なり周りの環境が同じでも評価軸が変わることもある。その例のうちのひとつが、今の僕が直面しているタイプの過渡期、つまりはある階級からある階級へステップアップしたいときのことだ。キャリアラダーの変化も環境の変化と同じように、評価軸がかわっていく。

わかりやすいのは、部下を持つか持たないかによる違いだろう。部下を持つと、自分の成果で評価をされるのではなく、チームで出した成果で評価されることになる。

ただ、今は Individual Contributor と呼ばれるキャリアパスがある会社もあるらしく、必ずしも昇進それすなわち部下を持つということではない。実際、個人的にも部下がいない時から評価軸の変化を感じていた。だから部下を持つことは本質ではないと思う。

では自分がどう思っているのかというと、まだうまく言語化できてないので抽象的になるが、誰にでも出せる価値を出すことで評価されるフェーズから、自分にしか出せない価値を出すことで評価されるフェーズへと変化して行っているのだと思う。

抽象的すぎるのでもう少し具体化しよう。便宜上、上記の「誰にでも出せる価値を出すことで評価される」状態をジュニアフェーズ、「自分にしか出せない価値を出すことで評価される」状態をシニアフェーズと呼ぶことにして以下の話を進める。

最初、仕事を始めたときは何もわからないので上司の指示のもと仕事をこなす。そのうち指示されなくてもわかるようになってきて、自分で仕事ができるようになっていく。この「指示されなくてもわかる範囲」が誰でもできること、代わりが利く仕事の範囲で収まっている間がジュニアのフェーズで、その範囲を逸脱しだしたときがシニアフェーズの始まりだと思う。

ジュニアフェーズのときは「その人にしかできないこと」はあまり求められない。もちろんその人がその人なりの創意工夫をするということはある。でも結局のところ誰しもが経験することを経験していくフェーズであって、上司や同僚も同じことを任されたら(質の差こそあれ)完遂できる内容だろう。

一方で、シニアフェーズになったときは上司でさえできるかわからないタイプの仕事を任される。それは例えば新チームの立ち上げだったり、リニューアルプロジェクトのリードだったり、採用や組織設計だったりする。こうした役割に着く人は組織にそう何人もいないし前例がなかったりほとんどないことが多い。だから、ある程度の再現性の視点はありつつも、その人の性質、その人のスキルなどに依存して大きな価値を出せるような仕事をこなすことが求められる。

まとめると、誰でもできることをきちんとこなすフェーズから、会社にとって必要な業務や役割を必要なら自分で見出して果たしていくフェーズへと変わっていくのだと思う。

過渡期にいる自分の感触

いまの自分はまさにこの過渡期にいる気がしていて、誰にでもできる仕事をこなしながら、自分にしかできない領域を作ることに足をかけている。

前職以前は、誰にでもできることを質高く早くやることが重要だった。そして今の会社に入ってからも半年くらいはその延長線上にいたと思う。しかしこの半年くらいは、自分の判断で実施することも増えている。今はまだ僕のチームのメンバーみたいな人がいなくて、自分がやることを人に渡すみたいな感触は少ない。自分がやることを減らしているという感覚はないから、自分が会社に対して提示しているバリューが減っているみたいな感覚もない。

だけどこの過程は頭を切り替えるのが大変だ。ジュニア向けのタスクでも、誰でもできることだけど自分がちゃんと責任もってやろうという思考、シニアなプロジェクトはちゃんと自分で頭使って何をどうしたほうがいいか考えるプロセスのどちらも同じ脳で実施しないといけない。

正直なところ、まだまだ不慣れで全然できていない感覚がある。特に後者は自分で気づかないとそもそもその仕事を自分がしなければならない、ということに気づけないので難しい。

終わりに

きっと自分は過渡期にいるんだろう、と思ってこの記事を書いた。

この頃は上記の 2 つの質の違うタスクをこなしながらコツコツと仕事をしている。しばらくは腰を据えて仕事をしていかないとなんだろうなぁと。

まだまだやることはいっぱいあるし、少しずつだけれど自分が進みたい方向に進んでいる感触がある。いつまで暗中模索かわからないけれど、ひとまず歩を進めていきたいと思う。

参考

*1:なぜならば、まだ何も答えらしきものが出ていないからだ。

*2:そうした違いはどこから来るかのというと、会社の文化だったりビジネスモデルだったりするけど、ここでは深入りしない。